また良く分からない書き出しから初めてしまいました。
この言葉はインドへの海外赴任が決まって、赴任までの間に研修を受けた時に聞いた言葉です。
確か『リスク研修』か何かだったと思います。
その時に講師の方が言った言葉がこれです。
「海外駐在なんて物はですね『公私混同の極み』なんですよ。プライベートの時間もあった物じゃない、呼ばれたらすぐに仕事モードにならなきゃいけない。その心構えを持たないとやってられないんです。」
ある意味では真実だと思います。
少し言葉の使い方に引っ掛かりはありましたけど。
その後、赴任して家族も連れて来て、そして暫く経ったある日の事、ふっと前に聞いた言葉が頭に浮かんだんですね。
「海外駐在とは『公私混同の極み』である」
自分は自身が赴任してから家族がこちらに来る前に何をしたのか?
そして家族がこちらに来た後に何をしたのか?
仕事でやらなきゃいけない事と、家族の為にしなければならない事を常に天秤にかけなければならない。
仕事の優先度と家族の事の優先度、どちらも合わせて順位付けをしなければならない。
そういう意味から言うと『公私混同の極み』って真実なんだと。
そう考えたら、昔引っ掛かった感覚がすっと腹落ちして消えていったのです。
研修の講師が、赴任者が現地に行ってふっとそういう事に気付くだろう、なーんて事まで予測済で言われてたのかどうかは今となっては分かりませんが、『家族が心身共に健康に過ごす為に腐心する』事も仕事と同じく、時には仕事以上に大事な駐在員の役目なんだって事を改めて認識したのがその言葉だったんです。
もしかしたら私のいる会社がそういう優先度の付け方を全面的にバックアップしてくれたという点で恵まれていただけなのかも知れません。
それでも拠点長でもあった私の上司は、仕事で何かトラブルがあった時は必ず駐在員の家族の事を最優先にしてくれてました。
非常に小さな事からそう。
例えば子供の現地学校の行事、家族の病気、家族の色々な手続き上のトラブル、何かあった時全て上司に状況を打ち明け、そして上司は「行って来い。家族が最優先だから。後は任せろ」と全てを認めてくれました。
勿論行きがかり上どうしようも無い事もあります。
営業職であれば休日、祝日お客さんとの付き合いもあるでしょう。
一朝一夕でそういう文化が無くなるとは思いません。
でも「だから仕方がない」と一方的に家族に負担を強いてませんか?
「仕方がない」誰がそう言ったんですか??
自分で自分に言い聞かせているのであれば…そんな事言い聞かせるのやめましょうよ。
月並みな言葉ですが、会社の取引を守るのは個人の役目ではなくて会社の役目です。
家族を守るのは自身だけなんです。
ましてや家族は駐在員が広げた傘の下で片寄せあって生きていく身なんです。
家族を守るのは仕事を進めるのと同レベルに扱わなければならない『公私混同の極み』だという事を忘れないで欲しいな、と思います。
そして家族の方も、そういうせめぎあいの中で、今回は仕方ないよね、って言ってくれる(毎回では決してありません)関係になっていければ良いと思うのです。
最後に役に立つかどうか分かりませんが、昨日妻と話していた時に出て来た言葉をシェアして今日は終わりにしたいと思います。
それでは。