こんばんは。
昨日は今住んでいるインドネシアの話をしましたが、今日はインドに居た頃の昔話を思い出しながら書いてみようかな、と思います。
インドに住んでいる4年間の間、私と家族はメイドさんと生活していました。
最初に雇ったメイドさんが3年勤めた後、結婚し旦那さんと同居する事になり代わりに別の方が1年。延べ2人の方に働いて貰いました。
どちらも非常に良い方ではあったものの、やっぱりそれなりのトラブルはありました。
ただそのトラブルもそこまで大変な結果にはならなかったのはこれまた運と巡り合わせによる物かも知れません。
思い出すままに2つ実際に家で起きたお話しを紹介したいと思います。
1.オートリキシャで誘拐未遂?!事件
ある日会社で仕事をしていたら、携帯に妻より着信あり。
電話を取ってみると妻が一言「娘が居なくなった!」
話を聞くと、妻が体調が悪く家で休んでいる間に娘が外で遊びたがったのでメイドさんにお願いして少し娘が外(とは言っても住んでいるアパートの敷地内にある公園ですが)で遊んでいるのを見ていて貰った。
が…結構な時間が経っても帰って来ない。
公園に行ったらメイドさんも娘も居ない。
メイドさんに電話をかけても…繋がらない。
半分パニックです。
「落ち着いて!そこの敷地から出るには絶対セキュリティを通らなければいけないから、セキュリティに話をして!監視カメラもある筈だから!」
分かった…と言って電話を切る妻。もうこっちも仕事になりません。
会社の総務に一報入れて最悪の場合即警察に繋いで貰えるように構えて待っていると…再び妻から電話。
「見つかった…帰って来た…」
う、うん。結果的には帰って良かった、それしか無いんだけど…一体何が起こったの?
妻がメイドさんに事情を聞いた所…、
メイドさんの電話、プリペイドだったのですが丁度支払いが必要な状態だったのでキャリアに行ってお金を払わなければいけない状態だったが娘を置いて行く訳にもいかないので連れていく事にした。(電話が通じなかった理由は電話が止まっていたから)
セキュリティを通過する時、メイドさんが日本人の子供を連れだすなんて普通は許されないのだが、たまたまセキュリティを通った時にガードマンの目に触れず通り抜けてしまった。
そしてメイドさんと娘はオートリキシャに乗りキャリアの店へ…お金を払って通信が回復した所で妻からの鬼のような不在着信に気付き慌てて帰って来た。
というお話し。
ちなみに私も妻もインドではオートリキシャに乗った経験はありませんでした。
なので我が家でインドのオートリキシャに乗ったのは当時3歳の娘一人という事になります。
2.妻のアクセサリが紛失?!事件
とある休日、妻が寝室であちこちひっくり返しながら浮かない顔をしていました。
どうしたの?と聞くと…寝室横のサイドテーブルにあったアクセサリが無くなってしまった、との事。
幾ら探しても見つからない事から、妻はダメ元でメイドさんに電話する事にしました。
「寝室に置いてあったアクセサリが見当たらないの…掃除してた時とかに見かけなかったかしら?」
そしたらメイドさん、「待っててください!すぐ戻ります!」と電話を切る。
え?いや、戻って来てくれなくても記憶があるかどうか教えてくれればそれで良いのに…と思ってるのも束の間、メイドさんが帰って来ました。
ドア開けた、ドア閉めた、リビングにいて声を掛けようとする妻を猛然とスルーし寝室に直行…!
「マダム!ここです!アクセサリはここにありました!」
う、うん…そこは妻がさっきまでさんざん探し回っていた場所で無いのは何度も確認していた筈…。
ですが妻は言いました。
「あら、そこにあったのね。ありがとう。助かったわ」
妻も私も同じことを考えてたんだと思いますが、後で妻はこう話してくれました。
「そもそもああいう場所に出しっぱなしにしてた私が悪いの。
それに魔が差したかも知れないけれど最後はああやって返してくれた。
悪意しか無いんだったら『知りません』と言い張るだけじゃない?
だから戻してくれただけで良いかなと思って」
この2つの話、最初のメイドさんの時に起きた話です。
人によっては、この事件が自分の家庭で起きたら、解雇するレベルの話だったかも知れません。
勿論それも個人の判断に凭れるものなのでどれが正しいなんて事は無いと思います。
メイドさんにしてもハウスキーパーさんにしても、正直、雇い主との所得格差は厳然と存在する訳で目の前にある物殆どが、自分の所得では購入出来ない物だったりします。
そんな中自分を律してストイックに仕事をこなしてくれる事がどれだけ有難い事なのか。
そう思えたからこそ、敢えてウヤムヤにした部分もあるんですよね。
一緒に生活するという事、最初は他人、しかも母国語が違う人、信用もできないと思う事の方が多いと思います。
でもそれってメイドさんの側から見ても同じなんですよね。
雇用する側とされる側、勿論ルールはなければなりません。
時として厳しい対応をしなければならない事もあると思います。
でもそんな中、少しずつ少しずつ人と人の繋がりが出来てくる。
妻は時折メイドさんが作ってくれるチャイが大好きでした。
私も休日家に居る時に何回か飲ませて貰った事があります。
トップのマザーテレサの写真、私がインドの家を引き払う時にメイドさんの部屋に貼っていた物です。
それを見た時、ちょっとクサいけど思ったんですよね。
「私達にはもう一人家族がいたんだ」って。
一緒に暮らしている方、大事にしてあげてください。
そして旦那さん、奧様とメイドさんの関係の事、しっかり気遣ってあげてください。
奧様が一番長くメイドさんとの一緒の時間を過ごしています。
それでは。